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本社FACTORY NEWS

「本物の紳士服」手作り ITと匠の技の融合

(2013年3月28日付「日本海新聞」掲載記事)

高精度な自動裁断機での作業=グッドヒル本社工場
グッドヒルが誇る職人の名前が掲示された「番付表」と吉岡社長

グッドヒルは「本物の紳士服は手作りが基本」との理念の下、鳥取市に構える国内屈指の工場などで、IT技術と匠(たくみ)の技を融合した高い品質の紳士服を製造し、ブランド力を高めている。

 在庫を抱えない、売ってから作る「セルデュースシステム」を採用し、販売と製造を一体化した。お客さまを採寸することから始め、1千万人の体形データをシミュレーションした独自ソフトで個々に型紙を作成することで仮縫いしなくても体にフィットするスピーディーな服作りを実現した。

 工場では、まず服地を1着ずつレーザー自動裁断機で裁断する。続いて部品、組み立て、仕上げの各センターで、さまざまな資格を取得した社員が最新鋭の機器を駆使しながら作業を進めていく。紳士服の仕立ての良さ(着心地)を左右する組み立て作業では、豊富な経験と熟練した技術、そして諸先輩から受け継いできた基本作業で、作る喜びを持ち縫い上げていく。

 最先端の機械が並ぶ同社だが、高品質スーツの製造には社員の技術が欠かせない。国内では多くの縫製工場が海外移転したのに伴い、職人が減っているが、同社には、卓越した技能者である通称「現代の名工」(厚生労働大臣が表彰)をはじめ、多くの国認定の紳士服製造技能士らが在籍。本社のほかにも県内には、浜村(鳥取市)、岩美(岩美町)、郡家(八頭町)に工場があり、社員は日々研さんを積み、技術を高めている。

 同社は社員の技能を大事にしており、各種研修などを実施。社員を技術力の順番に並べて掲示する「番付表」を社内に掲げるなどユニークな取り組みも行っている。今年夏には、独自の資格試験を新たに導入し、社員の技能や意欲のさらなる向上を図っていく。