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本社FACTORY NEWS

インドに本格進出 鳥取の技術を海外へ

(2013年3月28日付「日本海新聞」掲載記事)

インド工場の生産ライン
インド工場に掲げられた合弁表示看板

鳥取市に本社を構える大手紳士服メーカー、グッドヒル(吉岡秀樹社長)は最先端のIT技術を活用し、国内外に向けてオーダースーツを製造・販売している。人口10億人を超える巨大市場である中国に加えて、インドにも進出し、海外事業を拡大するとともに鳥取県内の工場では、熟練の職人の技による付加価値の高い商品を“創り”出している。

 同社は県の誘致企業として1961年に設立。現在820人の従業員が働く国内最大級の縫製工場であり、鳥取を代表する企業として定着している。販売は、直営店や、子会社エフワンの東北から九州までの店舗、大手百貨店などで行っている。

 海外事業は72年に韓国に進出したのがスタート。めざましい経済発展が続くインドでは2013年11月、南西部のバンガロール市に工場を建設し、稼働。生産から販売までを手掛ける。日系アパレルメーカーのインド本格進出は初めてという。

 現在、インドの工場は従業員約千人が働き、パンツを中心に1日当たり2千枚以上を製造。提携先のインド繊維大手でジーンズやシャツなどを扱うアルビンド社が販売している。日本国内と比べて品質面での課題が残るものの、グッドヒルは鳥取で高めてきた技術やノウハウを、社員を派遣するなどして持ち込み、品質の向上を進めている。

 インドの紳士服市場は数量ベースで既に日本を上回り、今後も成長が見込まれている。中でもオーダースーツ市場は個人経営の店舗での販売が大部分を占めていることから、グッドヒルは最新の設備による生産でスピードや仕上がりに差をつけ、15年中の黒字化を見込む。

 吉岡社長は「インドは世界に向かって打っていく拠点工場として考えており、今後世界展開を強化する。国内ではイージーオーダーから高いレベルのオーダーまで手掛け、グッドヒルのブランド力を高めていく」と将来を展望している。