目次
- はじめに
- 組立センターについて
- 工程
・前身頃
・身返し
・背
・衿
・袖
・検査、払い出し - まとめ
はじめに
目的:広報業務のための各部署の研修として、組立センターの知識習得と業務内容の理解
研修期間:5月8日から5月13日
方法:全体の工程を案内していただき、期間内に見学と取材をさせていただきました。
*報告内容は研修の為に使用し、外部に公開されることはありません。
組立センターについて
組立の大まかな流れ
各パーツがハンギングされたクランプは、3Fからイートインシステムで2Fの組立センターに流れてきます。 組立センターで受け入れたクランプは1課と2課へ分かれ組み立てていかれます。 上衣は大まかに、前見頃・見返し・背・衿・袖の5点から成り立ち、順番に工程を流れます。 組み立てられた上衣は、4課で合流し衿吊りを付けられます。 検査で直しが無ければ、外注へ払い出されます。
品質を決める最後の縫製作業
仕立ての良さ、着心地の良さは組立工程で決まります。複雑な形状のスーツの様々なパーツを、豊富な経験と熟練の技で、1着1着丁寧に心を込めて縫い上げていきます。機械化できない職人技は、長年諸先輩から受け継がれたまさに匠の業の結集です。
工程
大まかなパーツを追いながら、工程を見ていきました。
前身頃(受け入れ~フロントの躾)
3Fから流れて来たクランプに、各仕様ごとに異なる肩パットをハンギングして、1課と2課に振り分けています。
加工シートのバーコードを読み取り、プロジェクターで投影したゲージで前ボタン穴・ノッチの印付けを行います。
前身に身返しの躾縫いをした後で、縫い合わせます。
柄物は左右のラペルの柄を合わせて縫います。
フロントの躾縫いを行います。
身返し(身返し処理プレス~脇)
身返しはプレス機でプレスし、前見と背は肩線で縫い合わせます(肩入れ)。
肩パットと芯を縫い合わせ、脇には裏地と脇ハギを縫い合わせ、肩とアームホールを形成していきます。
背と脇ハギの表生地をEF(腹囲)を測り、長さを調節しながら縫い合わせます。
また、クランプのバーコードを読み取って、データの紐づけを行い進捗管理をしています。
背(サイドベンツ・センターベンツ・ノーベント・半裏・広身返し)
背の裾を、サイドベンツ・センターベンツ・ノーベンツ、それぞれを、印付け・アイロン・ミシンと形成していきます。
サイドベンツはアイロンをかけて、縫い代に切れ目を入れ、印をつけて縫っています。
半裏・広身返し・パイピング・ステッチなどの、裏仕立ても行っていきます。
また、ベストを縫製する工程もあります。
衿(渡り縫い~上衿腰中縫い)
衿を上衣と縫ってつなぎます。
衿の芯やラペルも左右均等に揃うように確認しながら正確に縫い合わせています。
地衿も左右均等に中央が、背中央と揃うように縫います。
特に柄物の生地は柄が揃うように合わせ、マネキンを使って衿と背中央の柄合わせを確認します。
その後は順番に、衿穴・カラークロス・上衿と工程を進んでいきます。
袖(袖付け~袖トジ)
袖を上衣のアームホールに縫い付けます。
アームホールにはイセ込みがあり、長さの異なるパーツを縫い合わせ、立体的で綺麗な形や動きやすさを出します。
その為、特別なミシンでペダルを調節しながら縫い合わせます。
肩プレスをかけて、肩の形を作ります。
袖には取引先などによって仕様の異なるタレワタと脇当を取り付け、クランプのバーコードを読み取っています。
検査、払い出し(衿吊付け~カード出し、その他)
1課と2課から流れるクランプが合流し、衿吊りを付けます。
縫い上りの検査を行い、組み立てた上衣を外したら、空のクランプ・ハンガーはイートンで4階へ戻ります。
検査では数mm単位で生地の歪みやずれ、糸のほつれをチェックし、必要があれば直しに分けられます。
ピックステッチ・ミシンステッチの工程は、ジャケットの顔ともいわれる繊細なステッチです。
上衣は加工シートの用意や仕分けがされ、外注へ払い出す準備がされます。
まとめ
組立センターは、お客様からお預かりした生地が裁断され作られた部品を受け入れています。
工程が進んでいくごとに、今まで作り上げてきたパーツが一つ一つ上衣の形が出来上がって行きます。
受注いただいた生地が、様々な工程を経て一つの形に成るところを組立センターの研修で観させていただきました。
また、組立の工程では着心地や形が決まる大切な工程が多くあります。
いせ込みやピックステッチなどの特別な縫製をはじめ、組立センター全体の縫製は手作業によるもので占められており、グッドヒルの技術が集まっていました。